印象派の巨匠 ピサロ展

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所謂芸術家の人たちは、皆ジェットコースター型の激しい人生なのだと決めてかかっていた。
急激に上がったり、下ったり・・・。


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ところが、印象派の巨匠、ピサロの場合は違っていた。
今、大丸東京で開催中の「ピサロ展」で、それを知った。


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フランス生まれのカミーユ・ピサロ(1830~1903)は、温厚な性格の持ち主だったらしい。
自分で自分の耳を切ったゴッホや、気難し屋のセザンヌらからの信頼も厚かった。
また、多くの画家仲間からも父親のように慕われていた。
その人柄が表れているかのような安定した画風が、見る人を穏やかな気持ちにさせてくれる。
「チュイルリーの庭園、雨天」(1899年)
庭園の濡れた地面が、しっとりと迫ってくる。


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ピサロが、シニャックの点描画法から受けた影響で、試した作品。
「窓からの眺め、エラニー=シュル=エプト」(1888年)
田園の人たちの生活を、自然の光のままに描いているところが、清々しい。


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「淡紅色のしゃくやく」(1873年)の絵葉書を買って、額に飾ってみた。
ピサロにかかると、華やかな芍薬の花が、何があっても落ち着きを失わない女性に見えてくる。
たとえ有事でも、大人の女はじたばたするもんじゃない。
新型インフルエンザが日本に上陸しても、この芍薬を盾に、闘えるような気がしてきた。


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ピサロの人生行路はジェットコースターというよりも、メリーゴーランドや観覧車のように、穏やかに巡り巡ったのだろう。
この展覧会では、彼と親しかったルノワール、マネ、クールベやバルビゾン派の作品も紹介されていた。
画家仲間にだけでなく、5人の息子たちにも彼は自分で絵を教えたそうだ。
その子どもたちが、各々芸術の道に進んだのは、言うまでもない。
ピサロの才能と人徳が、多くの芸術家たちの才を引き寄せ、育て、次世代へと巡らせたのかもしれない。


「オックスフォード大学・アシュモリアン美術館蔵 印象派の巨匠 ピサロ展 ─家族と仲間たち─ 」
2008年10月9日(木)~27日(月) まで、大丸ミュージアム・東京で開催中。

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この記事へのコメント

たーや
2008年10月18日 01:20
こんばんは♪お邪魔してます。
実に面白い。。。。。
今日の組写真、センスが窺われます。

普段絵画を見に行くことはほとんどありませんが
風景写真を撮る人間には、この絵の持つ力は
伝わっています。そこで見ている景色を
どう気持ちを乗せて筆に託すか、カメラに託すか。
本質は同じなのかもしれませんね。
ピサロは、これを書いている時はもちろん
メリーゴーランドの回転のように
穏やかな気持ちだったんでしょうね。
うえっち
2008年10月18日 02:03
芸術家って、確かに浮き沈みが激しいイメージがありますよね(^^;)
ピサロの絵はこうしてみると、他の画家に見られるような闇の部分が感じられない気がします。
でもこの絵の写真って、どうやって撮ったんでしょうか?
2008年10月18日 12:48
満たされると激しさは失われていくようで
すね。ハイになっている時は何が出るかな
ぁ♪ 何が出るかなぁ♪楽しみがあります。
芍薬の画のタッチは好きですねぇ・・・。
 
chisa_pie
2008年10月18日 13:08
よしりんさん、こんにちは!

ピサロのの「淡紅色のしゃくやく」いいですね。
背景の色にしゃくやくや花瓶の色が微妙に投影されて調和のとれた安定感を感じます。風景画と違って、力強い作品ですね!絵ハガキ位の大きさなら、部屋に飾れますね。とっても素敵!
しの
2008年10月18日 15:29
ピサロ展、いいですね~♪

芍薬の絵を楯にして新型インフルエンザと戦うというよしりんの想像力にまいりました!

ちょっと気になってたので時間を作っていいってみようかな
ぽん
2008年10月18日 16:49
いいねすね。ピサロの絵好きです。
大丸ミュージアムなら行きやすいので私も行ってみようかな。
どの場面や風景を切り取って表現するか・・写真もそうかもしれませんが、その人のその時を思い図ることが出来るのかなと思います。素敵な記事でした。
2008年10月18日 22:19
♪たーやさん

こんばんは。
たまたま同じ日に撮った写真を組み合わせてみました。面白がってもらえて、光栄です。
やっぱり、絵や写真には、その人の心が出ますね。
気持ちが乗っていないときの写真は、ただ写しているだけの、つまらないものになってしまいます。
自分の感動を少しでも伝えられたらいいのですが・・・。まだまだです。
2008年10月18日 22:22
♪うえっちさん

芸術家というのは、不幸な人でないと、なれないと思っていました。
でも、ピサロのような人格者で大家族に囲まれた幸せな人もいるのですね。
もっとも、9歳で亡くなった実の娘さんの肖像画もありました。穏やかな性格でも、いろんなことがあった人生だったのではと想像しました。
2008年10月18日 22:25
♪徳さん

満たされているときは、芸術的にはダメと思うのです。不満や不安だからこそ、何かが生まれる。私はそう思います。でも、ピサロは例外かもしれません。
2008年10月18日 22:28
♪chisa_pieさん

こんばんは!
ピサロのしゃくやくの花、私もとってもいいと思いました。力強さとたおやかさと。部屋に飾って、うっとりしています。


2008年10月18日 22:32
♪しのちゃん

「芍薬」の花は名前に薬が入っているので、新型インフルエンザの盾としてふさわしいと思ってしまいました。さあ、来い!という心境です。実際、いつ来てもおかしくない状況のようですよ。用心してくださいね。
2008年10月18日 22:34
♪ぽんさん

ピサロの絵には安らぎがありますね。
まだ会期中ですので、機会があれば是非。
癒されますよ~。
としお
2008年10月19日 08:20
絵のことは全く分かりませんが
ピサロの絵は、やさしくて暖かく感じます。
こんな風に写真も撮れたらいいなー。
私の乗ったコースターいつ上がるやら・・・。
うさみ
2008年10月19日 19:33
ピサロの風景画、大好きですが、この展覧会のことを知りませんでした。時間があったら行きたいです。ご紹介くださってありがとうございます。
大丸美術館、綺麗で便利ですよね。
すうすう
2008年10月19日 19:37
こちらにもこんばんは~♪

よしりんさんは美術にも詳しいのですね♪
ピサロの芍薬の絵をつくづく眺めました。
動じない心、佇まい、と云うのは確かに一つの武器になりますね。
よしりんさんの感性に、はっとしました。
よしりんさん、凄い!
2008年10月19日 23:21
♪としおさん

若い頃は、触れれば切れるような、とんがった絵が好きでしたが、最近はピサロのようなやわらかいタッチの絵も好むようになりました。
こんなソフトな優しい写真が撮れたらと、思います。
コースターの高さを一定に保つのも並大抵ではありません。
2008年10月19日 23:27
♪うさみさん

大丸ミュージアム、よく行きます。駅からすぐだし、きれいだし。美術鑑賞の後がまた楽しみで・・・。イノダ、都路里、近為、ポール・ボキューズetc・・。
2008年10月19日 23:31
♪すうすうさん

こんばんは。
そんなに詳しくはないのですが、学生時代から美術が好きで、よく美術館通いをしていました。母親が、私が生まれたての頃、ベビーベッドのある部屋の壁一面にゴッホの複製画を飾っていたそうです。赤ん坊には、刺激が強すぎた?!絵が好きになったのは、その影響かなあとぼんやり思っています。
にいやん
2008年10月20日 01:00
ピサロ展、見に行きたかったんですよ~、確か伊勢丹が先でしたよね・・・。今週は、東京に行くので、時間作って見に行ってみようかな(^^♪
よしりんの展開、フジヤマみたいで好きです。
2008年10月20日 22:48
♪にいやん

ピサロ展は、京都でも先に開催されていましたね。大丸東京のミュージアムは夜8時まで開いています。木・金は9時まで。なので、仕事帰りでもokですよ。
富士山、私も好きです。


しずこ
2008年10月21日 01:05
ピサロと遊園地。。。
毎度の事ながら、よしりんの豊かな想像力と表現力には感服です。
ピサロの絵は穏やかな感じでいいですね。
そして、芍薬の花の絵はよしりんのイメージにピッタリ!!
2008年10月21日 07:18
♪しずこさん

ちょっと疲れていたので、ピサロの絵を観て癒されましたよ。そんなに大作ではないのですが、展覧会場の中で、芍薬の花の絵が一番気に入りました。

icewine5
2008年11月10日 01:18
よしりんさん、お久しぶりです。

いつも拝見しているのですが、なかなかコメントする時間がなくてご無沙汰しております。
最初に拝見したとき、遊園地に行かれたのかと思いきや、展覧会のレビューとは意表をつかれたので、遅ればせながらコメントさせて頂きます。
ピサロの絵画と遊園地。とってもユニークな比喩にさすがだなあと感心しました。

>「大人の女はじたばたするもんじゃない」
よしりんさんのこの言葉にはっとしました。
何があっても落ち着いて平常心を保つのは大事なことですよね。
自分自身をふりかえってみると、いまだにちょっとしたことが気になったり不安になって、じたばたしたり・・・
まさに絶叫マシーンに乗った時のパニック状態です。
といっても、この写真のジェットコースター、今ではとても乗れそうにないですが(汗)。
昔は楽しむことができた絶叫マシンも今では恐怖の方が大きいということは、やはり人生も年齢とともにメリーゴーランドような穏やかさを求めるようになっているのかもしれません。
2008年11月10日 23:40
♪icewineさん

こんばんは。
こちらこそ、ご無沙汰しています。いつも拙ブログを読んでくださり、ありがとうございます。
「大人の女はじたばたするもんじゃない」って、いつもじたばたしてしまう自分自身に対して言っています。外見は穏やかそうにのんびり見えても、内実は絶叫マシンに近いなんてこと、よくあります。
一体いつになったら、平常心を持てるようになれるのでしょうか??自然体でいるのも、なかなか難しいですね。
私もicewineさんと同じです。昔はジェットコースター型の乗り物が大好きだったのに、今ではなんであんな怖いもにわざわざお金払って乗るの?と。人は変わるものですね。好みの絵も、過激なものから穏やかなもに変わりつつあります。
でも守りの態勢に入るのはいや。人の心は複雑です。

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  • ◆「ピサロ展」

    Excerpt: 「ピサロ展」  高松市美術館にて 印象派の巨匠と言われるカミーユ・ピサロ。 田園風景やそこで働く農民たちを優しいタッチで 描いた作品が多い。 穏やかな田園風景以外に.. Weblog: 月影の舞 racked: 2009-01-12 22:16